認められたいという欲求が抑えられない時代になったのかも

人となるだけ関わりたくない、と思ったとしても、否応なしにネットワークされる時代です。もちろん、人のつながりが有益かつ、その方法が簡便になることのメリットがいかに大きいかは、多くの人が認めているところでしょう。しかし、そのつながりの中に身を置く必然性(ソーシャルネットワークサービスの多くはアクティブなユーザーが多くいることが、その存在価値だからということは説明するまでもないですよね)を作り出すための仕組みとしての『承認ボタン』によって、いままでよりも簡単に褒められる機会が増えた、そんな時代になっていることも事実です。

キャリアの曲がり角に差しかかっているはずの、このコラムの読者の皆さんなら思い当たるはずです。新人の頃は、あまり上司から褒められたり、認められたりすることはなかったと。だからというのは変ですが、珍しく褒められると、仕事終わりの電車の中でまで、そのシーンを頭の中で再度思い浮かべてニヤニヤした、という経験を持っている人もいるかもしれません。

しかし、今は違います。褒められることに慣れ始めている、いや、むしろ、褒められたいという気持ちを抑えることが、難しくなりつつある。正しくいうと、自らとつながりのある誰かが、いつでも、そして、どんなことでも、比較的迅速にリアクションをしてくれる時代だからこそ、無反応、もしくは極めてタイムラグの大きいリアクションには、我慢できない可能性がある。

なんて書いてしまうと「そんな大げさな話かよ」というお叱りが飛んできそうですが、承認欲求を抑えられない人が増えていると書くと、ピンとくる人もきっと多いはずです。特に、若手の部下を持つ上司ならば。