ブランドの洋服をネットで買うことを当たり前にした、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」。ファッション市場が右肩下がりの中、2004年のオープン以来成長を続け、13期連続増収増益を記録しています。顧客から選ばれ続ける理由とは?
テクノロジーの進化により、今までになかった「新しい仕事」が生まれています。この連載では、リクルートライフスタイルのアナリストであり、データサイエンティストとして活躍する原田博植さんを聞き手に迎え、新しい仕事の領域を切り開くフロントランナーにインタビューを行います。
今回、お話を聞くのは、ZOZOTOWNの運営会社であるスタートトゥデイ取締役で、ホスピタリティ・マーケティング本部本部長の清水俊明さんです。無機質になりがちで、他社との差を生み出すのが難しいネット通販において、顧客から選ばれ続ける理由は「友達のような関係性の追求」にありました。
洋服好きが集まる職場、友達みたいな社員
【リクルートライフスタイル 原田博植さん(以下、原田)】今日はZOZOTOWNで買ったダウンジャケットを着てきました(笑)。はじめに、スタートトゥデイはどんな会社ですか?
【スタートトゥデイ 取締役 兼 ホスピタリティ・マーケティング本部 本部長 清水俊明さん(以下、清水)】会社ができたのは1998年で、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を立ち上げたのは2004年ですから、ネットの会社としては比較的社歴が長い方です。でも、若い会社ですね。社員数は2016年2月末現在で448人ですが、平均年齢は29.3歳と30歳を切っています。学校みたいな雰囲気です。
【原田】「学校みたい」というと?
【清水】私は46歳になりますが、新卒で入社した別の会社は上下関係も厳しく、時代としてもまだ滅私奉公というか、自分よりも会社のために働くという風潮がありました。社員間の競争も激しかった。そういった、従来の会社とはまったく違いますね。みんな、会社に友達に会いに来ているような感じで、楽しそうに仕事をしています。もともと洋服が好きで、ZOZOTOWNのヘビーユーザーだった社員も多く、価値観が似ていることも一因かもしれません。表情も明るく、仲がよくて、仕事の後や週末も、自然に遊んだりしています。
【原田】週末も仕事の仲間で集まっちゃうんですね。
【清水】みんな会社がある幕張の近くに住んでいるんですよ。「幕張手当」というのがあって、会社周辺の指定されたエリアに住むと地域還元の目的で月額5万円が出ます。今、社員の8割以上が幕張に住んでいます。