女性が「声を上げにくい」分野
2021年に入り、「女性蔑視」とも受け取れる発言やCMが、たびたび炎上。とくに、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗元会長による「女性は話が長い」発言では、直後からツイッターで「#わきまえない女」が、トレンド1位にランクインしました。
裏を返せば女性たちも、SNSを使って、権力に「NO」を突きつけられる時代になったのですが……、それでもいまだに「声を上げにくい」とされる分野があります。
その代表例が、生理痛や不妊、更年期など、女性特有の体の悩み。
「生理休暇」を例にとると、ある調査では「活用したことがある」との回答が、わずか5%のみ(20年ベビーカレンダー調べ)。制度はあっても声を上げにくいのは、それだけセンシティブな話題だからでしょう。
でもだからこそ、そこにビジネスチャンスもあるのです。
GUがフェムケア市場に参入
いま、女性特有の悩みをとらえ、世界で巨大市場として成長を始めているのが「FemTech(以下、フェムテック)」と「FemCare(フェムケア)」。
「フェム」はいずれも「Female(フィメール/女性)」の略語です。前者は「フェム+Tech(テック)」、すなわちテクノロジーを使って、女性特有の生きづらさを解決しようとする試みやソリューション。後者は、同じく女性を「Care(ケア)」する製品をタブー視しないデザインやサービス、商品などを指します。
21年3月、あの「GU(以下、ジーユー)」も、フェムケア市場に参入しました。その狙いは、どこにあるのでしょうか?