女性向け市場で成功するには何が必要なのか。コスメ・ファッション・旅・グルメ……いつの時代も盛んな「女性」向け市場。しかし、その多くがユーザー女性のリアルな声を反映していないとしたら――。『プレジデント ウーマン』編集部が積み上げてきた膨大なキャリア女性データと赤裸々な本音から見えてきたのは、現在の「女性向けマーケット」と企業が抱える組織風土の問題だった――。

*本稿は、2023年4月28日発売『プレジデント ウーマン』編著、『商品が変わる、企業が変わる!「女性目線」のマーケティング入門』掲載記事の一部を抜粋・再編集したものです。

衣料品店でジャケットを手に取る女性
写真=iStock.com/owngarden
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女性目線が抜け落ちていた「女性向けマーケット」の問題点

『プレジデント ウーマン』編集部では、創刊以来、多くの働く女性たちとともに、キャリア形成から仕事と家庭の両立、さらにファッションに関する悩みなどについて、さまざまなアンケート調査や意見交換を行ってきた。アンケート協力依頼対象は約8万人。回答者のうち、平均7割以上が管理職という他の調査会社にはない、さまざまな業種・職種に属するキャリア女性たちのデータが収集できるのが特徴だ。特に取材時の雑談などから拾い続けてきた、ファッションや暮らしに関するリアルな悩みについては、男性並みに仕事をこなすキャリア女性だからこその声が多く、編集部とメーカーのコラボでビジネスバッグやスーツなどの商品開発をする際にも参考になる意見が多かった。

けれども、これまでの女性向け商品は、古いマナーや、男性側の目線でつくられていることが大半であり、キャリア女性たちが本当に欲しいのものは市場ではなかなか見つけられないことが多かった。

その原因は何か――。