働く女性たちが本当に欲しいモノは市場になかった

意外に知られていないが、女性はキャリアを重ねるほど、ビジネスで持ち歩く荷物が多くなる。バッグにデザイン性を求めると小さくなり、高級感を求めれば重くなる。さらには、機能性を求めるとなると男性向けのビジネスバッグしかないというジレンマに陥る。もちろん、価格によっては管理職が持つべきものにはほど遠くなり……。事実、キャリア女性たちの多くは「小さなバッグに憧れる。でも、仕事をしている以上、小さいバッグを選択すれば、必然的にバッグの複数持ちにならざるをえない」(金融)と語る。編集部が、こうした働く女性たちのリアルな声をカタチにして製作した「本革なのに軽くて大容量」のトートバッグは、ファーストロットが20時間で完売するほどたくさんの働く女性たちから支持された。

また、その後のコロナ禍で出退社時にPCを持ち歩く人が格段に増加。女性たちは重い荷物をより快適に持ち運べる“リュックサック(以下リュックという)”を探していることがわかった。

“リュック”は、これまでビジネスマナーの観点から、仕事で持つのはNGという暗黙のルールがあった。ここ10年ほどで男性ビジネスパーソンには浸透したものの、まだまだ男性向けの領域だった。そんな中、編集部は女性向け“ビジネスリュック”の開発に踏み切ったのだが、マナーをはじめ「働く女性はこうあるべきだ」という画一的な視点から反対する声も多くあったのは事実。実際、発売してみると「こんなリュックを待っていた」(メーカー)、「どこにもないので男性用で代用していた」(製薬)という反響の声が寄せられたほどだ。