お客様とも社員とも、友達のような関係性を追求
【原田】8割はすごいですね。こうした福利厚生などの制度は、どういった考え方で作られているんでしょうか?
【清水】後でお話しすることになると思いますが、お客様との関係は、CRM(Customer Relationship Management、顧客関係管理)ではなく、CFM(Customer Friendship Management)といって、友達のような関係性を目指しています。それと同じで、会社とスタッフの関係も、“労働者と雇用者”や“労使”のような緊張関係ではなく、友達のような関係がよいと考えています。社員同士の絆を深める制度やイベントを行うEFM部という部がありますが、これはCFMの、“C=Customer(顧客)”をそのまま“E=Employee(従業員)”に置き換えてEFMです。
ちなみに一般の企業でいう「人事部」は、弊社では「人自部」で“じんじぶ”です。人事(ひとごと)ではなく、他人のことも自分のこととして考える、ここで働くことが生活の一部として自分らしく自然である、そういった社風を創ることを目的にしています。「仕事」も、ここでは「自事(じごと)」と呼んでいて、会社に仕えることではなく、「自分にとって自然なこと」と表現します。
【原田】会社の「人格」を、制度にまで落とし込んでいるんですね。さきほどCFM(Customer Friendship Management)というキーワードが出てきましたが、スタートトゥデイの社風や、ビジネスの考え方を表現するときのカギになりそうです。
【清水】スタートトゥデイでは、私が入社する前の2009年末に初めてZOZOTOWNのテレビCMを実施しました。それまでは一部のトレンドに敏感な層だけが知るサービスだったのが、一気に認知度が上がり、新規顧客が大幅に増えたのです。このころに「スタートトゥデイらしいCRMを立ち上げてほしい」と、声を掛けられました。ビジネスが急速に伸びる中でも慢心せず、お客様と真摯に正直に向き合いたい、コミュニケーションをとりたいという思いの強さに驚きました。