相手との違いが分からないマネージャーは生き残れない時代

ある会で、大手企業の管理職が自分の部下にこんなことを言っていました。

「部下に低い評価をつけるとき、一度目は部下に問題があるかもしれないので仕方ない。けれども、二度目はその部下を指導できなかった上司に責任があると考えるのが妥当だと思うよ」

皆さんも、部下や後輩たちの仕事ができないのは、彼らがダメだからだと押し付けてはいられない。だとしたら、相手が「分かっているだろう」という根拠のない信用を勝手にすることによって、コミュニケーションを省略するのではなく、相手は自分とは違うのだ、だから“当たり前”も違うのだ、という意識を持って、コミュニケーションを深める必要があるのです。

いろいろな人がいて、いろいろな“当たり前”がある。それがダイバーシティ(多様性)なのです。

ダイバーシティ・インクルージョン。ある種の多様性が企業やその組織に求められる時代になった以上、自分たちの“当たり前”を声高に主張し、相手との違いを理解しない管理職では、もはや生き残れないのですから。

サカタカツミ/クリエイティブディレクター
就職や転職、若手社会人のキャリア開発などの各種サービスやウェブサイトのプロデュース、ディレクションを、数多く&幅広く手がけている。直近は、企業の人事が持つ様々なデータと個人のスキルデータを掛け合わせることにより、その組織が持つ特性や、求める人物像を可視化、最適な配置や育成が可能になるサービスを作っている。リクルートワークス研究所『「2025年の働く」予測』プロジェクトメンバー。著書に『就職のオキテ』『会社のオキテ』(以上、翔泳社)。「人が辞めない」という視点における寄稿記事や登壇も多数。