アクセルを踏み込んで主力事業を作る

広告事業をひたすらやっていたところから会社が転換したのが、アプリの受託開発授業を始めた時です。

ある大手の化粧品クライアントから「iPhoneアプリ作れる?」と言われ、「作れます、作れます!」と受注したんです。今だから言えますが、実は作ったこともなく、エンジニアの多くは大学生インターンしかいなかったのですが、受注してからみんなで必死で勉強しながら作って納品しました。

そのアプリが、AppStoreのランキングの上位に入って、それを機にいろんな会社から受託案件依頼が来るようになったんです。

去年の2月まで受託開発事業も並行してやっていたんですが、それまでにスマホアプリ、Facebookアプリなど合わせて100本ほど開発しました。そのうちにエンジニアも増えていき、開発ノウハウも溜まり、自分たちでサービスが作れる環境ができていったんです。

そこで、「今が受託で得た資金をB to C事業に投資するタイミングだ」と赤坂と2人で新規事業を考え、2012年に生まれたのがpairsです。pairsより後に同様のオンラインデーティングサービスが20個くらい出てきたんですが、今は、3、4サービスしか残ってないです。pairsが成功した理由は、いくつかあるんですが、まず早い段階でアクセルを踏み込めたからだと思っています。

マッチングビジネスはいかに多くの質の良い新規会員を集めるかが重要です。いつ見てもユーザーが同じ顔ぶれだと利用したいと思いませんよね。だから新規ユーザー獲得のための広告費を、リリース直後から年間1億以上かけました。受託事業で稼いだお金をすべてつぎ込んだ感じです。でも、ベンチャーだとそこまでお金をつぎ込むのに臆するところがほとんどだと思います。このアクセルを初期から踏む判断をしたのは赤坂ですが、そのおかげで、サービスが大きくなるスピードが非常に早かったんだと思います。