男女関係なく、スピード感をもって働けるネット業界に惹かれて
今、40歳になったので、この業界ではかなり年齢は上のほうだと思います。エウレカでも一番年上なので、たまに「おばあちゃん」なんて呼ばれてるんですよ。ひどいですよね(笑)。
大学時代はブルームバーグの翻訳チームでインターンを1年経験し、その後、雑誌記者として社会人の1年目をスタートしました。
当時、女性は一般職が当たり前で、総合職にはなかなか就けない時代で、採用でまだ男女差別が残っていた最後の世代かもしれません。最初の会社から転職活動をする時に、雑誌社や編集プロダクションも受けたんですが、「うーん、どうせ20代半ばで子供産んで辞めちゃうんでしょ」と3社くらいで言われました。一方、15年前のネット業界は新しい業界だったので、面接に行くと「何ができる?」「いつから来られる?」と、差別も何もなくさっさと話が進んで、スピード感が気持ちいいなと思いました。
そして転職したのが日本で英語を学びたい人のためのサイトを運営しているイギリス外資のITベンチャーでした。ネット業界は初めてだったので、知識もスキルもなかったんですが、入ったその日にPhotoshopやHTML、CSSに関する本をどさっと積まれて、イギリス人の社長に「これくらい1週間で覚えろ。仕事が出来なかったら3カ月でクビだから」と言われました(笑)。クビになりたくないので当時は寝る間を惜しんで必死で仕事をしましたね。
社員30人くらいの会社でしたが、2、3ヶ月おきに10人ほど入社し、半年後に残っている人は1人くらい、というくらいクビになったりすぐやめる人が多い会社でした。社長がワンマンで、タイピングが遅いだけでクビにしちゃうんです(笑)。私も「いつクビになるか」とビクビクしながら、でもとにかく結果を出すしかないので、本当によく働きました。円形脱毛症にはなるし、最初の半年間はストレスで急性胃腸炎に何度もなったりと体調もおかしかった。でもビジネスマンとして一番鍛えられたのもこの会社なので感謝しています。