いきなり1カ月いなくなる上司
その会社に入社して2日目に大ハプニング。私の上司は編集長で、副社長でもあったんですが、その人から「順ちゃん、私、明日からイギリスに1カ月行ってくるから、あと全部よろしく」と言われて、「えっ?」って感じでした。「全部って何ですか?」と聞くと、「まあ誰かに聞けばわかるから。何かあったら電話かメールして」と。でも電話してもメールしてもまったく返事がないんです(笑)。
同僚はみんな忙しいし、外資では、自分の雇用契約書にない業務はしない人がほとんどなので、私に何か教えるためにわざわざ残ってなんかくれないわけです。だから同僚が居る昼間にわからないことを聞きまくって、あとは夜中までひたすら働く。朝は始発で出社して、みんなが出社するまでにわからないところを貯めといて、日中に聞く、でまた深夜まで働く。それを繰り返しているうちにだんだん仕事ができるようになりました。
当時、そのサイトにはカルチャー系の記事を多く載せていて、最初は、ハリウッドスターの来日記者会見には毎回行き、ブラピが話している内容を英語でそのまま載せたり、ラッセル・クロウのオーストラリアなまり英語の解説記事を書いたり、ハロウィンや感謝祭の起源を調べて記事にしたりしていました。このWEBライター的な企画・取材・編集・ライティングという仕事から、コーディング、デザイン、タイアップ記事企画、マネジメント、と、あっという間にどんどん仕事が増えていきました。
この会社にいたのは4年間くらい。最後のほうはサイト全体のプロデューサーをやりながら新規サービスの立ち上げもやらせてもらいました。同時に、業務に必要な翻訳や通訳、リアルイベントの企画・運営、営業、雑用などなど、とにかくひたすら何でもやった感じですね。
構成=Top communication 撮影=向井 渉