【西井】多様な働き方を受け入れられる会社にしたい、という強い意思がありますね。僕は自分でも起業していますが、オイシックスに入るまでは、経営者としてそういった視点は持っていなかったので驚きました。
オイシックスには、多様な働き方の人が集まっていますが、会社の理念や価値観で繋がっているように思います。従来型の働き方には合わないかもしれないけれど、オイシックスが好きだから、ここで働きたいという思いが強い人が多い。会社側も、そういう人たちに働いてもらうために、何とかしようという考えを持っているように思います。
【原田】事業のあり方、社員の働き方を含めた会社のあり方、どちらも柔軟ということですね。
【西井】もともとベンチャーで始まっている会社ですし、自分たちでも、まだ完成形ではないと考えています。既存のルールがない分野でビジネスを行っているので、制度や働き方も、まだまだ進化させなくてはと思っています。
会社の風通しはとてもよいです。僕は役員として入社したのですが、すぐにいろんな社員から「西井さん、ご飯食べましょう」「話を聞かせてください」といったメールがバンバン届きました。社員の仲もとてもよいです。
いいことは、待っていても起こらない
【原田】西井さんといえば“旅”。旅に関する著書(『世界一周 わたしの居場所はどこにある!?』、幻冬舎文庫)もあると聞きました。
【西井】高校までは毎日、とにかくつまらないと思って過ごしていました。英語が嫌いで、旅行にもまったく関心がなかったのですが、大学で旅行にはまって変わりました。それまでは「何かいいことがないかな」と思っていたのです。しかし、旅に出てみて初めて、「いいことないかな」と思っていても何も起こらない、いいことは自分で作れるということに気付いたのです。
大学を出て、工場で1年間働いてお金を貯めてから、2年半かけて世界一周をしました。行く先々で、自分のホームページを使って旅行記を公開していたのがきっかけで、Webの世界に入ったのです。それ以来ずっと、Webのマーケティングを仕事にしています。
起業するつもりで前職を辞めた後、オイシックスに入社する前にも、再び世界一周の旅をしています。その時はWebに関係する仕事で起業するつもりでしたが、詳しくは決めておらず、「何をするか」をフラットな状態で考えようと思って旅に出たのです。