Q:お菓子作りをする際に、おいしさ以外に気にしていることは何ですか?(複数回答可)
第1位:素材の味を生かす(65人)
第2位:食材は安全性重視で選ぶ(51人)
第3位:カロリーを低く抑える(42人)
素材の味を引き出すことが「ヘルシーでおいしい」への近道
お菓子作りの際に管理栄養士・栄養士が重視していることNo.1は、“素材の味を生かす”でした。お菓子作りに限りませんが、ちょっとした工夫で素材そのものの味を引き出せます。それにより、全体のおいしさもグンと上げられますよ。
・旬の食材を使う → 鮮度がよく、栄養価も高い
・かぼちゃやさつまいもなど、もともと甘みがある食材を活用するなどして、砂糖類の使用をできるだけ少なくする → カロリーオフになる
・アーモンドやくるみなどのナッツ類はオーブンでローストする → 風味が増し、食感もよくなる
第2位は“食材を安全性重視で選ぶ”でした。安全性についてはいろいろな観点がありますが、中でも知っておいてほしいのが、農林水産省が発行する「有機JASマーク」。農林水産省のwebサイトを見ると、有機JASマークは「農薬や化学肥料などの化学物質に頼らずに、自然界の力で生産された食品を表しており、農産物、加工食品、飼料および畜産物に付けられています」と書かれています。農薬にも「有機」表示のできるものがあるため、「無農薬」とは異なるのですが、その安全性の高さを農林水産省が認めており、安心して選べる食品なのです。
また「この『有機JASマーク』がない農産物と農産物加工食品に、『有機』、『オーガニック』などの名称の表示や、これと紛らわしい表示を付けることは法律で禁止されています」ともあります。有機JASマークがついている商品にどんなものがあるか、お店で探してみてください。
第3位は“カロリーを低く抑える”でした。そのための最も効果的な方法は、脂質を減らすこと。なぜかというと、脂質は1gあたり9kcal、炭水化物は1gあたり4kcalなので、脂質は炭水化物(糖質)に比べて少しの量でカロリーが高くなってしまうのです。例えば、乳脂肪分がたっぷりの生クリームの代わりに牛乳や豆乳を使うと、カロリーを抑えることができます。最近は、カロリーが生クリームの半分以下の豆乳クリームというものも販売されていますよ。
「普段は忙し過ぎてお菓子作りなんて無理!」という声も聞きますが、自分と大事な人の健康のために、手作り派も購入派も、管理栄養士・栄養士の視点を参考にしてみてください。
今回で連載「管理栄養士・栄養士に聞く!美と健康の秘訣」は最終回となります。ありがとうございました。
食・健康業界で活躍する管理栄養士・栄養士会員4000人に対する調査結果を用いて、食品メーカーなどのマーケティングを支援。アンケート調査、商品モニター、商品体験会などを通して、消費者の課題・ニーズ収集、会員による商品評価、管理栄養士・栄養士に対する認知度アップ支援を行う。