誰かが誰かを大切に思う。その心を届けるのがお菓子
創業は1948年、銀座四丁目にて。四季折々の和菓子をそろえながらも敷居は高くなく、店舗の前を通るたび、「あの人に贈ろうか」と親しい人々の顔が浮かんでくる……そんな温かなムードをたたえているのが「銀座あけぼの」である。現在、代表取締役社長を務めるのは、どこかたおやかな雰囲気をまとう細野佳代さん。2004年、3代目である父からその意志を受け取った。
「今までたくさんのプロジェクトに関わってきましたが『大成功!』などと万々歳できるものは少なくて、つねに『ああすればよかった』『こうすべきだったのに』と反省しきりの日々。それでも創業70年を機に“パーパス”なるものをつくり直したことは、自分にとって大きな財産となりました。社の歴史を振り返り、まとめ直し、あらためて未来のビジョンやミッションを描き起こしたもの。父、社員、株主の皆さまそれぞれが、すべてを自然に受け入れてくれたことは『やってよかったのだ』と自信になった出来事でした」
老舗として決して揺るがない軸となるもの。そして老舗だからこそ変化させるべきもの。それらはいったいどんなことだったのだろうか。