男性の検査へのハードルを下げ、関心を高める体験談

【石川】女性と同様に、男性も検査で精子の動きが悪かったり、治療が必要だと分かったりするのは怖いです。女性の場合は、婦人科の定期検診や乳がん検査などがあるので、検査に対するハードルがそう高くないのですが、男性はそもそも生殖に関して検査をする経験がほぼありません。自分自身の体について知る機会が乏しく、また検査後についての話を聞く機会も大変少ないです。だからなおさら男性は検査を特別視してしまい、自分は大丈夫だと思い込み、クリニックに行きたがらないケースが多いです。

イベントに登壇する石川氏。妊活をはじめ、「産む」周辺に関する情報を、ネット、リアルを問わず、積極的に発信し続けている。

ただ、興味深いことに、第三者の体験談があると、「自分もやってみようかな」と思うようです。ファミワンのサービスを利用している男性で、最初は検査のことなど全く考えていなかったのに、体験談や正しい情報を知ることで検査に踏み出したという例もあります。女性側に負担がかかっている妊活が多く見られますが、こうした部分から少しでも男性の意識を変えていければと思います。

――最後に、将来子供がほしいと思っている人や、今まさに妊活中の人にメッセージをお願いします。

【石川】将来的に子供がほしいと思っていれば、まずは試しにファミワンを使ってみる、そんな気持ちを持ってもらえるとうれしいです。「自分達はまだ早いかな」と思わず、「妊娠しなかったら返金されるし、その時にどうするか考えよう」というくらいの気持ちで構いません。自己啓発を目的として英会話やヨガといった習い事に、月にいくらかをかけている人もいるかと思います。それと同じように未来の自分たちに向けた投資の1つとして、情報を得て、第三者の声を聞きながら妊活を進めていく。夫婦どちらかに任せっきりにせずに話をする。是非、家族の未来を考えるきっかけにしてもらいたいですね。

構成=姫野ケイ 撮影=プレジデントオンライン編集部