医師の世界のなかでも、産婦人科医は女性比率が高い部門です。当然、そこで働く女性医師にとっても、自身のライフイベントとどう向き合い、どうプランニングしていくかは重要なテーマ。日々、女性の体と命に向き合う産婦人科医だからこそ意識している「戦略的な出産のタイミング」について、都内の病院に勤務する女性医師たちに伺いました。
彼女の医療事務所の女性医師の肖像画
※写真はイメージです(写真=iStock.com/recep-bg)

学生結婚が推奨される医大も

高収入な分、勤務もハードな印象のある医師の世界。国家資格をとればそれでゴールではなく、常に知識と技術の更新が求められる職種です。だからこそというべきか、妊娠・出産のタイミングは「早めに」と考える人が多いといいます。専門の科に進んでからはなるべくキャリアを中断したくないという考えから、学生のうちに、あるいは研修医の期間中に出産を終えるのがひとつのスタンダードになっているそう。

「ある医大では、学生結婚が推奨されているくらい。本格的にキャリアが始まる前に産んでいたほうが復帰もしやすいし、その後のキャリアも築きやすいという考えです。同じ学校学部の学生同士で結婚をしたら学費が半分になるという大学もあります」

そう話すのは都内の総合病院に勤務する産婦人科医のA子さん。30歳で第一子を出産し、この夏、育休から復帰したばかりです。

「産婦人科はもともと女性医師が多く、ほかの科に比べても女性が働きやすい環境がととのっていると思います。私の職場に在籍する女医は20人ほど。妊娠・出産、子育てと仕事をどう両立させるかは日常的な話題ですし、ロールモデルとなる先輩もたくさんいます」