「子供は授かり物」とは言いますが、誰にも深く相談できず、ひっそりと妊活に取り組んでいる夫婦がいるのも事実です。2015年11月にスタートした日本初の“成果報酬型”妊活サポートサービス「ファミワン」、その内容は10カ月の期間限定で月額2万円、妊娠しなかったら返金という思い切ったもの。サービスを立ち上げたファミワン代表取締役社長の石川勇介さんに話を聞きました(本文敬称略)。
成果報酬型妊活サポートサービスとは
――「ファミワン」とは具体的にどのようなサービスなのですか。
【株式会社ファミワン代表取締役社長 石川勇介(以下、石川)】ファミワンは成果報酬型の夫婦参加妊活サポートサービスです。ダイエットで話題のライザップの妊活版と考えると分かりやすいと思います。ただし、ファミワンは妊娠を保証するものではなく、10カ月間という期間を区切って妊活に取り組んでもらうことを目的としています。世の中には「妊娠を保証します」とうたった商品やサービスもありますが、それは決して簡単に言えるものではありません。10カ月で妊娠に至らなかった場合は返金し、区切りをつけて未来に進んでもらいたいと考えています。時間を意識していたとしても、夫婦だけで取り組むと年月はあっという間に過ぎてしまいますので。
ファミワンでは夫婦1組に専任コンシェルジュが1人付き、webを介して、妊活状況の整理や夫婦それぞれの個別ヒアリングなどを行います。また、体外受精や男性不妊を経験した人、妊活が原因で離婚をした人、医療に関わる職業を専門とする人たちがアドバイザーとなり、掲示板やチャットで相談を受け付けます。本気で子供がほしいと思って集まっている登録者を対象としたクローズドの掲示板ですので、同じ悩みを持つ人同士で安心してやりとりが行えます。チャットではアドバイザーと1対1で相談を行うこともできます。そのほか、サプリメントや妊活グッズなどをお送りすることにより、食生活の見直しや体作りや夫婦仲に関するアドバイス、またストレスとの向き合い方や医療の知識などを提供します。
――ファミワンが考える妊活の定義や、妊活と不妊治療の違いについて教えてください
【石川】定義に関しては諸説があるのですが、我々は「子供をつくるための活動」そのものを妊活と考えています。親や祖父母、それ以上の前の世代も含め、昔から多くの夫婦がやってきていることですね。現代では医学が発展し、検査によって治療の必要性などが分かるようになりました。その治療法も、人工授精や体外受精など、いくつかステップがあります。昔ならば子供を諦めるしかなかった夫婦も、不妊治療の発達により妊娠に向けて取り組むことが可能になりました。ですので“妊活”の言葉の中に“不妊治療”が含まれていて、どちらも「子供をつくるための活動」というイメージで捉えています。