夫婦で・第三者を交えながら・期間を区切って取り組む
――サービスにおいてこだわっている“妊活のポイント”について教えてください
【石川】ポイントは3つあります。1つ目は夫婦で参加するということ。これが最も重要な譲れない点です。妊活は夫婦どちらか片方、特に女性側に比重が偏る場合が多いです。最初こそ夫も協力するけれど、仕事が忙しくてだんだんモチベーションが下がり、妻に任せっきりになってしまうという話も多く聞きます。家族の未来に向けた活動ですので、どちらかに偏るのではなく、夫婦そろって取り組み続けることが何よりも大切だと考えています。また、夫婦の片方だけが積極的に妊活をしていると、子供が生まれた後にも育児に関する意識に差が出てしまうケースもあります。
2つ目は、妊活に適切に第三者が介入すること。夫婦だけでは感情論に陥ってしまい、話し合いも平行線になりがちです。専門家ではないとしても、妊活経験者に「私の場合はこうだった」と言ってもらえることで、冷静になれたり考えが広がったりすることも多いです。また夫婦だけでは見落としがちな“知っておくべき情報”も伝えられます。
3つ目は期間を区切ること。「10カ月」と妊活期間を定めることが、次のステップに進むきっかけの1つになると思います。実際に通院や不妊治療を始める、場合によっては子供を産むことだけではなく、養子縁組や夫婦だけの暮らしを検討してみるなど、いろいろな可能性について、考えたり行動したりしやすくなります。区切りをつけないと、何年も妊活を続けることとなり、次のステップに移るのが遅くなったり、結果が出ない苦しさから夫婦関係が悪くなってしまったりするケースが多く見られます。
“夫婦で・適切に第三者を交えながら・期間を区切って取り組む”、これがファミワンのサービスで実現したいと考える妊活に込めた3つの願いです。
――「10カ月で20万円」という期間や価格について、利用者からはどのような反応が寄せられていますか?
【石川】期間、価格ともに、さまざまな反応があります。期間に関しては、ある程度の知識がある方には「10カ月は短過ぎる」と言われることが多いです。体の細胞が代謝により入れ変わるのが約半年だとされているので、体質改善を並行して行うと考えると「10カ月を1セットとして、2セット、3セットやるくらいじゃないとダメ」と言う方もいます。もちろん、それとは逆に「10カ月は長い」と感じられる方もいます。日本産科婦人科学会では不妊の定義を「1年間」と定めており、年齢にもよりますが、早期に、少なくとも10カ月後には、検査などに進んでほしいです。
価格に関しては、「夫婦の未来」のために、何に投資するかという観点から考えてほしいです。例えば、体外受精を行う場合、1回の治療で平均30万円かかります。「10カ月で20万円」という価格は、夫婦2人で2万円、1人あたり1万円を毎月貯蓄していると思えば決して高額ではありません。10カ月間取り組んでみて妊娠に至らなかった場合は、戻ってきた20万円を使って体外受精を含む次のステップを検討する。「夫婦の未来のための保険」、そんな願いも込めた返金制度です。