「キャッシュフロー計算書」が見られないなら「貸借対照表」を!
財務について勉強をしたことがある人は、手元にある現金残高を確かめるためには、キャッシュフロー計算書を見ればよいのでは、と考えるかもしれません。確かに、キャッシュフロー計算書を見ると、現金及び現金同等物(現金そのもの以外に、普通預金や定期預金、短期の定期預金などを含む)の有高が分かります。しかしながら、キャッシュフロー計算書の作成・開示が義務付けられているのは、主に上場企業です。中小企業など、大部分の会社では開示されません。
では、会社にある現金残高を確認するためにはどうしたらいいのでしょうか?
連載第1回「数字が苦手でも、最低限知っておくべき『2つの利益』とは?(http://woman.president.jp/articles/-/759)で、会社の経営成績や財政状態を示す財務諸表は大きく分けて3つの決算書、「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」から成るとお伝えしました。その際は損益計算書にある2つの利益(営業利益と当期純利益)の意味を理解し、会社がなぜ利益を出さなくてはならないか、ということを考えました。
今回の「会社がつぶれないかどうか」ということを知るには、貸借対照表を使います。キャッシュフロー計算書とは異なり、貸借対照表と損益計算書は会社法で作成が義務付けられており、社員であれば見ることができます。
貸借対照表には「流動資産」という欄があり、その「現金・預金」という項目に会社が保有している現金や短期預金といったものの金額が掲載されています。細かい数値として、いくらあるのかということが分かるようになっています。
連載第1回で損益計算書を見た時と同様に、今回も細かい科目を追っていくのではなく、貸借対照表をシンプルに「構造」として捉えてみましょう。