●部長以上は土日も働くワーカホリック
「部下をもってバリバリ働きたい」という女性にお薦めなのが、auで知られるKDDIだ。2015年度末までに、女性課長比率を7%に引き上げる目標を掲げているからだ。
「役職者となるには、まず課長補佐になり、試験を経てマネジャーにならなければなりません。さらにその人たちから優秀な人が課長に選ばれ、部下がつきます。現在、課長補佐の中から優秀な女性が選ばれ、特別な研修プログラムが提供されています。女性という理由だけでマネジャーになれるわけではありませんが、同じ成績の男性と女性がいたら、女性のほうが有利なのは確かでしょう」(女性Bさん)
子育て期の女性にも配慮する。「子どもがいる女性は保育園に迎えに行く時間までに帰れます。残業は多いですが、NO残業デーが月2回。通信会社なので在宅勤務の環境が整っており、いったん帰って子どもを寝かせ、仕事を再開する人も多いです」
ただ、問題はその先にある。「部長以上になると仕事量が半端なくて、土日もなく働けるワーカホリックな人でないと務まりません」
頑張って課長になり、その後、部長になっても、それに耐えられる女性ばかりではないだろう。
●仕事か私生活か究極の決断を迫られる
長く働ける会社であれば、安心してキャリアを積める。女性の勤続年数が21.2年と男性より長く、女性の既婚率も66.6%という高さを誇るのが、世界的ファスナーメーカー、YKKだ。
ただこの数字にはカラクリがあるようだ。「技術系の拠点が富山県黒部市、管理系・営業系が東京都にあり、それぞれの組織風土が違うんです。トップメーカーだけに競争相手がいないのでマイペースで働けてなかなか辞めない。それが黒部です。しかも富山は共働きが非常に多い地域。片や東京は顧客や海外との折衝役ですから、相手に振り回される仕事も多い。黒部の数字が大きく影響しているデータではないかと思います」(男性Cさん)
同社では採用時から、転勤ありのグローバル社員と、なしのローカル社員とに分かれる。役職や給料をアップさせたかったら前者しかない。その場合、海外勤務が必須だ。
「入社3年後に赴任し、5年間を海外で働くというのが一般的なキャリアパスです。その時期は女性にとっては結婚や子育て期にあたるので、仕事か私生活かという究極の決断を強いられることになります。とはいっても、仕事ができるなら男女関係なく上にいけるのも事実で、女性だから、という差別はありません」
将来は富山に住みたい人が結婚、出産を経て長く働く。片や男女差別のないグローバルな仕事で男勝りにバリバリ働く。そのどちらかを目指す人にはお薦めである。
格付けの構成、解説=海老原嗣生 編集協力=砂塚美穂、池田純子 取材協力=転職・就活に役立つ企業口コミサイト「キャリコネ」