働く人の才能を引き出す仕事、HRの魅力

欧米では一般的であるHR=Human Resourcesという職種は、日本の人事とは少し異なり、人の採用や異動人事などだけをやるのではない。国によっては、専門レベルの資格試験を設けていることもあるプロフェッショナルな仕事だ。従業員の能力や才能を発揮できる環境や機会を提供する重要な役割を担う。HR次第では、人と人とをつなぎ、新たなイノベーションを起こすこともできるのだ。人と人をつなぐことを生きがいとしてきたジャネルには、ぴったりの仕事に出合えた瞬間だった。

リーバイス(R)でHRとしての経験を積んだ後、Facebookに入り、HR部のビジネスパートナーチームを率いることとなった。ダイバーシティも担当し、急成長にあるFacebookを支える人材採用から育成、職場の環境づくりまで行っている。

「Facebookのミッションは、世界の人々をつなぐこと。これは、私自身の個人的なモチベーションにもなっています。企業として世界中の人と人とをつなぐミッションを支える役割を、私たちHRが担っています。Facebookには、さまざまな才能、人種、バックグラウンドを持った人たちが働いており、その多様性は世界のそれと同様だとも言えます。その多様な社員一人ひとりにとって、働き甲斐のある楽しい場所にすること、100%以上の力を出してもらえる心地よい環境にすることも重要な役割だと思っています」

社員のつながりに一役買っているのが、FacebookのCOO、シェリル・サンドバーグの著書のタイトルでもある「LEAN IN」のサークルだ。「LEAN IN」とは、女性が組織の中でキャリアを積み成長していくために“一歩踏み出す”精神を持とう、というシェリルのメッセージだ。

「私もいくつかのLEAN INサークルに参加していますが、特に管理職以上の女性たちのサークルは、精神的にも私の大きな支え。年に4回くらい誰かの家で夕食を共にしながら、仕事、家族、そのバランスの取り方など話します。一種のコーチングですね。本当に彼女たちの存在のおかげでここまでやってこられたのだと思っています」

このLEAN INサークルは、女性の枠組みだけでなく、さまざまなテーマがあり、商品開発に興味のある人、営業のノウハウを学び合う人、など男女関係なくスキルアップや情報共有を目的としたサークルが多くあるそうだ。