場所と時間にとらわれない働き方
先月は「2020年までに責任ある地位の女性を3割に」という2030の課題に悩む担当者向けに「労働時間改革」編を書きました。今回はもう1つの「女性活躍推進」の鍵となる「柔軟な働き方IT活用編」についてです。
女性活躍推進をしようにも多くの女性たちに「管理職になりたくない」と断られてしまうという嘆きをよくききます。それは長時間労働のせいです。ちょうど自分の「産み時」「子育て時」と重なる時期の打診は二者択一を迫られるもの。「やる気がないわけではないが、もし子育て期に突入したら、そんな責任は引き受けられないかもしれない」と思う。責任感があるがゆえに辞退する人も多いのです。「産む」×「働く」を無視しては、これから女性活躍推進は動きません。
「労働時間のコントロールが大事」なのはもちろんですが、「場所と時間にとらわれない柔軟な働き方」という軸も大切です。
これをITの力で実現しようという試みがGoogleの「未来の働き方コンソーシアム」で実施されました。「文化」「制度」「テクノロジー」が「未来の働き方」の鍵でした。
私は、日本の女性の未来の働き方を応援するGoogleのwomanwill(https://www.womenwill.com/japan/playbook)のアドバイザーなのですが、Googleに行くと、この「IT」の力というのを目の当たりにします。会議室でなくても、自分の席でも、または個室の会議室がたくさんあって、そこからでも簡単に海外と会議ができます。社外でもスマホがあれば参加できます。
またITさえあればどこでも仕事ができるので、かえって人が交流する場も大事にしています。シリアルやコーヒー、お菓子が無料のちょっとしたカフェのような場所があちこちにある。仕事に集中し閉じこもりがちなエンジニアが、息抜きに、またはお腹がすいてやってくる。そこで集まった全く違う部署の人と無駄話をし、その交流がまたイノベーションにつながる。すでに「文化」「制度」「テクノロジー」がある状態です。