女は不条理を受け入れる代わりに、自由を得てはいないか?
この構造をそのまま女性に当てはめてみたらどうなりますか。もう暴動ですよ(笑)。「ひどい!」「理不尽だ」って言う女性はいっぱいいるでしょう。
女性は、35歳になって「ヨガのインストラクターになりたいからインドに行きます」と会社を辞めたって、「人生楽しそうでいいね」となるけど、男の人がそんなこと言ったら「あいつヤバイよね」って思われるのが今の日本社会でしょう。
女性は男性よりもよっぽど自由なんです。それは、働き手として期待されていないという悲しい現実とのセットでもあるのですが。期待されていなかったからこそ「女性活用」なんて言葉がでてくるわけで。
男と女、期待されているものが違うと分かった上で一緒に仕事をしないと、逆にこっちの首が絞まることになりかねない。会社や組織って不条理も多いですけど、そういう違いを理解したうえで働けば、一緒に働く男性への接し方、見え方はおのずと変わるでしょう。変に腹も立たなくなりますし、お互いに感謝することもできるではないでしょうか。そこで改めて、女性としての「交渉力」が問われるのではないか、と思います。
私自身、不条理に腹を立てて吠えていたタイプでしたから、タイムマシーンに乗って若い頃の自分に言いたい。「社会の不条理をあげつらっても何にも解消しないよ」って教えてあげたいですね。
※第1回「ジェーン・スーより指令【1】 武装解除し「かわす力」を身につけよ」を読み逃した方はこちら(http://woman.president.jp/articles/-/416)
※第3回は7/23に更新予定です
東京生まれ東京育ちの、生粋の日本人。作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニスト。音楽クリエイター集団agehaspringsでの活動に加え、TBSラジオ「ジェーン・スー 相談は踊る」をはじめとしたラジオ番組でパーソナリティーやコメンテーターを務める。著書に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)、『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)がある。TBSラジオの番組をまとめた『ジェーン・スー 相談は踊る』(ポプラ社 編者/TBSラジオ ジェーン・スー 相談は踊る)は、ラジオリスナーでなくとも、ジェーン節を堪能できる内容になっている。
構成=葛山あかね