敵(男)を認めることも大事

それと同時に、忘れてほしくないのは、男の人は仕事に対する責任感や矜持が女性のそれとは全然違うということ。

男性は大卒なら22歳で働きはじめて、65歳まではノンストップで働き続けることが当たり前とされているでしょう。途中で「こんな会社いつでも辞めてやる!」とは安易に言えない環境にあらかじめ置かれているんです。

そして、その状況というのは、社会で期待されていることや、高い給与水準や出世のしやすさといった男性として得られる特権とセットになっている。一見、うらやましく思えなくもない。でも、それを女性である自分に置き換えてみると結構キツくないですか?

私、未婚ですけどね。自分が一生誰かを養っていくと考えたら、今以上に怖くて結婚なんてできないですよ。共働きが主流になってきたとはいえ、まだま だ稼ぎ手は男性という家庭も多い。その稼ぐ役割が自分だとしたら……。

家に自分が働かないと食べていけない人がいる。子供がいる。教育費や家のローン、老後の蓄えだって必要になる。しかも自分が働いた分のお金を全部家族に渡して、そこからお小遣いをもらうことにも文句を言わないんですよ。

男の人がそれを不条理だと感じないのは、男性としての特権と「男は、女子供を食わしてなんぼ」っていう思い込みがセットになっているから。マジョリティである男が築いたその構造に対して、男性自身が疑問を持てないというか、そういうものと受け入れているんじゃないですか。