マイノリティが生き抜く、ということ

組織で生き抜くってことはある種、交渉事でしょう。だからこそネゴシエーターとしての能力を高める必要があって、そのためにはその世界のルールを頭に入れておくことが重要なんです。

ゲームは、ルールを熟知している人ほど有利ですよね。拙著『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎刊)でも書きましたが、そのルールって、だいたいマジョリティが決めている。現状の仕事社会においてマジョリティは男性ですよね。その中で、ルールを決めているのは一部の男性。

マイノリティである女性が、男性社会を生き抜くには、そのルールを知ったうえで行動しないと勝てない。ルールを変えていこうとするのであれば、なおさらです。

どうするかというと、女性の力を信用していないタイプの男性には、女はこんなもんだろうって思っている女性の型を身にまといつつ主張する。男性が期待するステレオタイプの女性らしさという洋服を着ておいて、道を開けてもらったらニコニコして居座り続ける、みたいな感じかな。

これは仕事に限ってのことですが、正面から対決ばかりしていたら、明日の飯の種がなくなる可能性があるわけです。戦うだけで給料が出るならいいけど、そうもいかないでしょう。真正面から戦えない自分を責めないで、うまくやることも大切です。それはズルではない。

最初から「道を開けろ!」と怒鳴っても嫌な顔をされるだけ。警戒されるのは場所取りをして動かせない楔を打ってからでいいんです。「桜がきれいね?」とさりげなく入り込むというのは、そういうこと。これは決して男性への媚びではなく、正当な権利の主張の仕方だと思います。