なぜ、正社員でい続けることは難しいのでしょうか。その理由として最も多いのは「勤務時間」(65.4%)、次いで「職場に両立支援をする雰囲気がない」(49.5%)などです(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査)。
理由は「昇進による違い」
賃金格差のもう1つの理由は、昇進による違い。日本企業はスペシャリストより課長、部長などの役職者の給与のほうが高くなりますが、課長以上の女性は6.6%しかいません。年収分布をみても400万円以上の女性社員は急減。大手企業の課長職になると700万円程度はもらいますが、700万円以上の女性はたった3.9%です。
昇進を望まない女性が多いのも事実。従業員300人以上の企業の非管理職層の女性で「課長以上の昇進希望あり」と答えた人は10.9%。男性の59.8%に比べてかなり低い数字です。その主な理由は「仕事と家庭の両立が困難になる」「周りに同性の管理職がいない」というもの(労働政策研究・研修機構調査2012年)。ここでも退職女性と同じ事情が立ちはだかります。管理職になれば多忙になり、プライベートを犠牲にせざるをえないことを女性たちはよくわかっている。実際に女性管理職の約7割は子どもがいないという調査もあるほどです。