旦那さんが取るべき行動は、まず「家事がたくさんあって、大変なのはわかっているよ」という思いを伝えることです。そしてそのうえで感謝の気持ちを伝える。

専業主夫の知り合いから、「家事をやる側は見返りを求めないこと、やってもらう側は感謝することが大事」と教わったことがあります。ただしこの話を旦那さんにすると、奥さんに対してすぐ「おまえが見返りを求めてるからいけないんだ」と言ってしまう。そこがもう間違いであって、まずは感謝から始めるべきなんです。

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家事分担に不満を持つ妻は夫の約4倍!

不思議に思うことがあります。私が「妻が1週間の出張に行っている間、子どもの世話をしている」と人に話すと、「すごい」「奥さんは幸福ですね」と反応があるし、妻も帰ってくれば、「ありがとう。大変だったでしょ」と言ってくれる。

それで私も頑張ってよかったと思えます。でも、出張や飲み会から帰ってきて、子どもを見ていた奥さんに「ありがとう」と声をかける旦那さんはほとんどいないのではないでしょうか。そこで奥さんに感謝を伝えることができたら、家事分担に対する不満は減るはずです。仮に家事を何もしていなくても、奥さんが納得すれば、それはそれでいいわけですから。

わが家の家事分担は、洗濯と掃除が妻で、食事と育児が私。ただし考え方としては、分担するのではなく、それぞれの分野に“責任者”をつくっている感じです。たとえば私はご飯を用意する責任は負っているけれど、必ずしも自分でやらなくてもいい。外で買ってきてもいいし、パートナーに頼んでもいいのです。でも責任は自分にあると思うと、お願いするときは自然と柔らかい頼み方になります。はっきり分けると「それはおまえの仕事だろ」とケンカの原因になってしまうから、どちらがやるかは曖昧なまま、責任だけ持つことでうまくいく。その結果、お互い気持ちよくヘルプしあえる関係になれたらいいですよね。

専業主夫・翻訳家 
堀込泰三
(ほりこみ・たいぞう)
1977年、千葉県生まれ。東京大学大学院修了後、日産自動車入社。2年の育児休業を経て専業主夫に。小学校1年生、2歳の男児の父。著書に『子育て主夫青春物語』がある。
(構成=鈴木 工)
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