10 「お買い得」より「お値打ち」が最優先

名古屋人の好きな言葉に“お値打ち”がある。そもそもこの言葉、今では全国の日本人が使っているが、元は名古屋人の発想から生まれた“名古屋語”だったよう。「お買い得」と同意語だが、実は「お買い得」は、「安い」が前面に押し出されている言葉。名古屋人の「お値打ち」は、「価値がある」「長く使える」といった意味が込められた、名古屋での最頻出ワードなのである。「価値があって、さらにリーズナブル」を名古屋人はこよなく愛し、買い物は吟味に吟味を重ねる。名古屋人は、決して「安物買いの銭失い」とはならないのである。

11 味噌煮込みうどんは固いもの

名古屋人の味噌好きは周知のとおり。そして名古屋人のソウルフードといえば「味噌煮込みうどん」だ。ただし、はじめて食べる人がみな一様に驚くのが、うどんの固さ。まるで生煮え、よく言えばアルデンテ。一人用の土鍋にグツグツの状態で登場する「味噌煮込みうどん」だが、うどんはなぜか固い。これは、煮込みすぎるとうどんの風味が落ちるから。ぐずぐずに軟らかいうどんでは「味噌煮込み」ではないのである。そして正しい食べ方は、蓋を小皿代わりに使うこと。熱々のうどんと汁を蓋に取り、冷まして食べるが正解。だから蓋に穴はないのだ。

12 出身は「愛知」ではなく「名古屋」である

地元をこよなく愛する名古屋人にとって、出身地へのこだわりが強いのは当たり前。名古屋人であれば「出身は?」と聞かれて「愛知」と答える人間はまずいない。堂々と「名古屋(または名古屋市内)」と答えるのである。これは、「愛知県」の認知度の低さによるものとの説もあるが、名古屋人の地元愛の強さ故のことだろう。また「名古屋のほう」「名古屋のあたり」と答えるのは、名古屋市以外の出身の人間。名古屋人は、市内市外をきっちりと線引きし、都会と田舎を区別する。出身地の言い方を聞けば、名古屋人かそうでないかはすぐわかる仕組みになっている。