明らかに実力不足の園は要注意

ここまで書いてきたようなことが通用しない保育園もあります。

施設長や保育士のレベルが低すぎて基本的なことができていないような園では、保護者としても共感的に交渉するのが難しいし、園側の受けとめる力も弱いので、激しい対立関係になることがあります。

特に、保育の質が低い(保育士の子どもに対する対応がひどい、ケアが行き届かない)ケースや、大きなケガをしたのに対応がいい加減、謝罪もないなどの場合は、保護者としても悠長にはかまえていられません。

ケガは、ていねいな保育を行っている園でも起こるときは起こりますが、保育室や園庭で子どもが過密になっていたり、職員集団が未熟で目が行き届いていないことが誘因になっている場合もあります。大きなケガが起こったときは、発生時の状況把握と検証をしっかり行い再発防止策を検討するということが、保育施設のリスク管理として求められています。

ケガについて「謝罪がなかった」「きちんとした説明がなかった」という不満をよく聞きますが、それは園が子どもの安全に責任をもち、再発防止のための検証をし報告をしてほしいということにほかならないと思います。

事業者の人事が保育の質低下の原因になっている場合もあります。系列施設への異動などで施設長や保育士がいつも入れ替わっていると、在園児の理解、保育方針の共有、チームワーク、室内外の安全管理などが熟成されず、保育はいつもバタバタと落ち着かず、保育士の労働が苛酷になり人材が定着しないという悪循環が起こります。保育士の待遇改善も含め、組織全体で人材の定着・育成に取り組んでもらわなくては、問題は解決しません。

事業者がそのことに気づいていない場合は、保護者がそれを求めてもいいと思います。