子どもは家族のように一緒に過ごしている
ひとつ前提にしなければならないことがあります。
保育園は子どもが共同生活をしながら育つ場だということです。保育士やお友だちに囲まれて過ごす中で、子どもはたくさんのことを身につけていきます。心を安定させ自分のやりたい遊びに夢中になること、仲間とのかかわり合いをたくさん経験することで、心身の発達が促されていくのです。また、そうなるように保育(教育)を行うのが保育園のあるべき姿とされています(「保育所保育指針」参照)。
0、1歳のころは「かみつき」や「ひっかき」も起こります。活発に遊ぶようになれば、小さなコブやすり傷をつくりながら、身の安全を守るしぐさを身につけます。友だちとぶつかってまず自己主張することを覚え、次に自己抑制することも覚えます。
親としては心が痛む場面でも、子どもはその瞬間に育っています。
もちろん園は子どもの安全に十分に配慮する責任がありますが、小さなケガにも保護者が過敏になっていると、保育が萎縮してしまうこともあります。
つまり、小さなケガや子ども同士のぶつかり合いについては、親は少しおおらかめに見守ったほうがよいこともあるということです。
このことと、大きなケガが起こったのにちゃんとした説明や謝罪がないとか、子どものつらい気持ちを保育士が理解していないということはまったく別です。それらは、保育士の専門性にかかわることです。