“ママ友”を超えた関係
この勉強会を通じて、経営視点を身につけ、リーダーシップ人材へと進化し、また育休後、女性がくじけがちな課題を体験する前にクリアできる戦略を考えられます。
「ビジネススクールの本質は経営知識の習得ではなく、経営者目線での意思決定トレーニングであると考えていますが、この勉強会では残業ができないという制約を背負った子育て中の女性が当事者目線だけでなく経営者目線で、どのようにチームに貢献できるか、組織の成果に貢献できるかを皆で考えています」(国保さん)
そして、もう一つの目的が「両立生活を支えるネットワークづくり」。
「子が生まれると、幸せではあるけれど知的刺激は激減。大人と話をしたくてたまに児童館に行ってみても、そこで会うママたちは、働いているのか、どんな働き方をしたいかということから探り探り話題を選ばないといけない。結局、子どもの服とか髪の量とか当たり障りのない事だけ話して終わり。でも乳飲み子預けてビジネススクールに通うガッツと資金力はないです。オムツ替えたり、泣いてる子をあやしながら勉強できるところなんてほかにありませんもの」(外資系フォワーダー、30代後半。子ども3歳0歳)
「これだけ多様な業界で多様な職種の人達とディスカッションするのはそれだけで刺激になるし、学びも多いです。メンバーはもはや『ママ友』の域を超えて『同士』になっていると感じます」(栗林真由美 大手インターネット通信業、30代前半、子ども0歳)
国保さん自身、普段は男性に経営学、管理職研修をする立場なので、自分が母親になるまで子育て中の女性を経営資源として見ていなかったそうです。女性は経営や管理職に興味がない、仕事に対する意識が低いんだろうなとずっと思っていたぐらいです。
「でも、この勉強会をしたら全くの誤解だった。最初はできていなかったのに、回を重ねるごとにその成長は著しく、時短者の扱いを経営合理性から判断するということもできるようになってきました。これは宝の山を掘り当てたなあというのが今の気持ちです」