バリキャリ派でも半数が「早く産みたい」

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女子大学生に聞いた理想のライフスタイル/バリキャリで一生働きたいと思っている人の理想の結婚

私が大学生を相手にとっているアンケートでは、バリキャリで一生働きたいという学生は、早稲田の女子で43%、さらにその内訳を見てみると、バリキャリ派でも47%の人が「早く結婚して早く産む」派でした(早稲田大2012年 2、3年生 112人のアンケート結果)。他の女子大でもバリキャリ派の中の5割以上が「早く結婚して早く産む」派でした。

実際に女子大生に接していても「仕事もやる気があるし、優秀」という人は「結婚も子育てにも意欲的」なのです。仕事のために「結婚や出産は後回し」という女性のほうが「仕事をやる気があるだろう」というのは昔の話です。

優秀な女性がほしいと思ったら、早く結婚して産んでも不利にならないマネジメントが必要になります。

昨年ある女性の涙を見ました。彼女は女性が活躍することで有名な某企業に入って1年目。つい先日まで女子大生だった彼女に久々に会ったら「結婚しました」と満面の笑みで報告してくれました。

でもその後、話しながら彼女は涙になりました。

「入社1年目で、もう結婚するんだ」「もう御祝金もらうの?」

そんな冷たい声が周囲から投げかけられたそうです。「結婚したら、もう仕事をする気がないなんて、絶対に思っていないのに」と悔しそうに言います。

彼女を学生時代から知っていますが、優秀で意欲的で、できる学生オーラを放っていた人です。でも、そんな彼女が入社1年目でやる気をなくしてしまうような環境がある。人材の無駄遣いです。

ライフネット生命は「30歳まで新卒扱い」で「ふつうに採用したら60歳の人もいた」ということです。年齢と仕事をくっつけることに、そんなに意味があるとは思えない。「子育て後新卒」が可能になる社会になってほしいものです。

白河桃子
少子化ジャーナリスト、作家、昭和女子大女性文化研究所特別研究員、大学講師
東京生まれ、慶応義塾大学文学部社会学専攻卒。婚活、妊活、女子など女性たちのキーワードについて発信する。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活」を提唱。婚活ブームを起こす。女性のライフプラン、ライフスタイル、キャリア、男女共同参画、女性活用、不妊治療、ワークライフバランス、ダイバーシティなどがテーマ。講演、テレビ出演多数。経産省「女性が輝く社会のあり方研究会」委員。著書に『女子と就活』(中公新書ラクレ)、共著に『妊活バイブル 晩婚・少子化時代に生きる女のライフプランニング』(講談社+α新書)など。最新刊『格付けしあう女たち 「女子カースト」の実態』(ポプラ新書)