化学や物理が得意だったが、将来を考え…
高校生になっても、相変わらず理系の科目は好きでした。得意だったのは化学、物理(の一部)、生物。できれば研究者になりたいという夢もあった。でも、理系の大学に進むことには躊躇していました。進学したところで、当時、女性が研究者になるのは簡単ではなかったからです。特に理系はそうでした。現実的な将来像は、高校の先生あたり。しかし、教師になりたいわけではない。「研究者になれないなら文系でもいいかな」と思うようになった。
両親からは、「ずっと仕事を続けていきたいなら、何か資格がないと厳しいよ」と言われていました。女性が企業で活躍するのは難しかった時代です。自分なりのキャリアを築こうと思ったら、資格を取るしかなかった。父は最初、医者がいいんじゃないかと言っていましたが、医者は手術などをするのが怖いから私はイヤでした。小学校でフナを解剖したときに、きゃあと悲鳴を上げて先生に怒られたくらいでしたから。そう伝えると、父は何も知らないくせに、「じゃあ、弁護士がいいんじゃないか」と言い始めた。それで、「とりあえず、法学部に行こうか」と。本当にそれだけの理由でした。どんな学部なのかもよく知らないまま、法学部志望ということになったんです。
実家を離れ東京大学へ進んだワケ
いちおう一定の成績を保っていたので、どの大学でも狙うことができそうでした。「さて、どこにしようか」と考えたときに、真っ先に消えたのは名古屋大学。大学そのものについてはよく知らなかったのですが、父とは違う大学に進みたかったし、とにかく名古屋を離れたかった。旭丘高校からは京都大学に進む人が多いのですが、京都も名古屋から近いのでイヤだなと。それで東京大学を目指すことにしたわけです。
東大がどんなところなのか見てみたいという好奇心もありました。「日本のトップの人たちが集まるっていうけど、どんな人たちなの?」って。法学部とは何なのかもわかっていないくせに、そういう興味だけは持っていたんです。