※本稿は、ジュリー・スミス『読むだけで心身が整う メンタルメンテナンス大全』(訳:山藤奈穂子、河出書房新社)の一部を再編集したものです。
失敗した自分には価値がないと思っていないか
「決して失敗を思い悩むな。泥の中を転げ回っても、きれいにはならない」――オルダス・ハクスリー(イギリスの作家/『すばらしい新世界』)
過去を振り返り、後悔する。なぜ、あんなことをしたんだろう。自分らしくなかった。あんなことをするんじゃなかったと。それは、あなたが人間である証拠だ。何もおかしくない。
私たちは選択を誤ったときにこそ、自分がどんな人間でありたいかを学ぶ。罪悪感がある。後悔する。良心が痛む。それはただのサインだ。今、学ぶべきことがあると、あなたに伝えている。
今のあなたは、間違った選択をしたときのあなたではない。あのときのあなたは、今のあなたが理解していることを、知らなかった。今のあなたが失敗から学んだことを、過去のあなたはまだ知らなかった。それを忘れると、後悔にはまり込んで動けなくなる。
初日から完璧だったら、もっと認められて、もっと好かれたのにと空想にふける。失敗した自分は価値のない人間だと思い込む。自分が失敗しなければ、間違ったりしなければ、全てうまくいくと、この世界そのものを理想化する。
しかし、現実はそうはいかない。私たちは常に何かを得て、何かを失う。
正しい選択でも後悔は生まれる
それは、避けられない。「間違いさえしなければ、全てがうまくいく。何の後悔もない」という思い込みは、残念ながら誤りだ。正しい選択をしてもなお、失うものがある。それでも後悔なく生きられる場合もあれば、何年も失ったものを嘆いて「ああすればよかった」と苦しむ場合もある。
後悔そのものはあってもいい。後悔のない人生を選べとは言わない。だが、後悔に対してどう反応するかは、心の健康を左右する。脳は、状況をある程度推測し、感情を作る。感情が正しいとは限らない。
だからこそ、後悔したときも、「この気持ちは正しいものなのだろうか」とチェックしてほしい。もしあなたが、いつも自分を疑い、自分の選択を反芻して、これでよかったのだろうか、こうするべきだったのではないかと思い悩むタイプなら、後悔はそういったパターンによる1つの症状の可能性がある。
もしあなたが過ちを犯し、心から悔いているのなら、勇気を持ってその後悔を見つめる。それは成長の糧になる。

