疲れを隠す「マスキング」の危険
みなさんは、寝不足や疲れを感じながらも「ここは頑張らないと!」という場面で「エナジードリンク」や「コーヒー」に頼ることはないでしょうか?
このような行為で眠気や疲れを感じにくくすることを「疲労のマスキング」といいます。
コーヒーやエナジードリンクで眠気や疲労感が抑えられるのは、主にカフェインの働きによるものです。
喫煙者ならタバコに頼ることもあるでしょう。
ニコチンによる一時的な覚醒作用や、離脱症状の軽減によって楽になったと感じる場合があります。
糖分はエネルギー源になりますが、甘いものを食べて一時的に元気を感じても、睡眠不足や過労が解消したとは限りません。
眠気や疲労感が軽くなっても、体が必要とする休息を取れたわけではありません。
一時的な覚醒作用で元気に感じることはあっても、カフェインなどは必要な睡眠や休息の代わりにはなりません。
「不思議と体が動く」のメカニズム
また、マスキングは外から取り込む成分によるものだけではありません。
緊張・興奮・緊急性がある場面では、体内でアドレナリンなどの働きによって、疲労感を一時的に感じにくくなることがあります。
これを「内的マスキング」といいます。なお、エナジードリンクなど飲食によるマスキングは「外的マスキング」です。
内的マスキングの例としては、救急病棟の看護師が12時間もの夜勤中、次々と運ばれる患者さんへの対応に追われているときは「不思議と体が動く」のに、帰宅した途端にぐったりする――といったものが挙げられます。
緊張が解けると、それまで感じにくかった疲労が強く自覚されることがあるのです。
カフェインなどによる「外的マスキング」も、アドレナリンなどによる「内的マスキング」も、「疲れが解消したのではなく、疲労感が一時的に弱まっている場合がある」と理解することが大切です。

