疲れを感じないときには、身体の中で何が起こっているのか。医師の古賀智裕さんは「疲労と疲労感にはズレがある。『疲れを感じないから大丈夫』と無理を続けることが、長引く疲労や健康障害につながるおそれがある」という――。
※本稿は、古賀智裕『科学でわかった疲労の正体』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
「疲れた」という言葉に潜む真の意味
「疲れた」という一言に、実は2つのまったく異なる意味が含まれていることをご存知でしょうか。
まずは「疲労」。これは、体の中で実際に起きている機能の低下のことを表します。そしてもうひとつが「疲労感」。
これは、「疲れた」という自覚症状、つまり主観的な感覚のことを表しています。
ここで注目したいのが、疲労と疲労感にはズレがあるということです。正常な状態では、体や脳が疲れれば、「疲れたな」という自覚があります。
しかし、身体的には疲れているのに、疲れを感じない。または、通常の検査や周囲から見える様子では大きな変化がなくても、「疲れているな」と感じることがあります。
この2つの違いを、図表1で整理してみます。
この違いは、なぜ重要なのでしょうか。


