第一次世界大戦でも似た状況に
これは第一次世界大戦の西部戦線の状況に近いが、こうした戦いでは、戦場では決定的な戦果が挙げられなくても、ある段階で一方の国力が摩耗して急激に戦況が変わっていく。
第一次世界大戦の最後の年である1918年の3月でも、ドイツ軍は春季攻勢で勝利し、60kmもの突破に成功していた。しかし夏に急激に戦力が低下し、国内でドイツ革命が起こったこともあって11月11日に休戦協定に署名する形で敗北するのである。
現在の様子を見る限り、それがいつかは予測できないものの、ロシア・ウクライナ戦争についても同じような形での終結がひとつのシナリオとして考えられる。ただし、資源の輸出国であるロシアは、原油が一定の価格で輸出できる限り国力が尽きることはない。ウクライナもまた、米欧からの支援が続く限り国力が尽きることはない。特にイラン戦争のために原油価格が上昇していることを考えると、こうした形で戦争が終結するシナリオも可能性は低いと考えざるを得ない。だとすれば、この戦争の終結の見通しは極めて低いと考えざるを得ない。
プーチンはウクライナの属国化をあきらめない
他に終結するシナリオとして考えられるのは、ロシア側が戦争目的を下方修正し、ウクライナを事実上属国化することをあきらめ、現在占領しているドンバス地方の割譲のみで手を打つ場合である。
これは第二期トランプ政権発足以来何度か取り上げられている案に近い。だが、プーチン大統領はウクライナの中立化や非軍事化など、実質的に属国化する条件を取り下げていない。また、ウクライナはロシアの再侵攻への備えとしてヨーロッパ諸国の部隊を配備することでの「安全の保障」を求めている。そうすれば部隊を派遣している国がウクライナを防衛してくれることが期待できるからである。
今後も数年、ドローン戦争は続く見込み
しかし、もともとロシアはウクライナのNATO加盟に反対するというのが戦争の理由であったから、欧州諸国の軍がウクライナに常駐することを受け入れられないだろう。一方、「安全の保障」が満たされない限りウクライナは占領地域の割譲を受け入れることはないだろうから、このシナリオで戦争が終結に向かっていくこともまた可能性は低い。
そう考えていくと、今後また数年程度は、現在のような無人機を中心とした消耗戦が続いていくシナリオが最も可能性が高いと考えられる。
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