優等生の謙虚さはセコい

このような腹をくくる胆力を、私も身に付けなくてはいけないと思っています。では社長を目指すのかと問われれば、「目指すと言える自分になりたい」と答えます。少し前までは社長は目指すものではない、周りが決めるものだと考えていました。でも、それは逃げかもしれないと思うようになりました。

私たちの世代の女性は謙虚であれと育てられてきたために、上の仕事やポジションを打診されても「いえ、私なんか」と謙虚ぶり、実際やって褒められれば喜ぶという優等生タイプが多いんです。でも、それってズルいのではないかと。女性も一歩踏み出す勇気をと説いたフェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグさんの『リーン・イン』を読んでそう考えるようになりました。

サブウェイの社長ということではなく、トップに就けるチャンスがあれば、「挑戦したい」とはっきり言えるほうがいいでしょう。でも現段階ではまだ「目指すと言える」自分を目標としています。カッコいいことを言いましたが、実際のところ私のキャリアはつまずきだらけです。

大下明文=構成 向井 渉=撮影