玄米は「しっとり」の象印が食べやすい
白米だけでなく、「ソフトブラウン玄米」でも試した。条件は両機種とも2合。炊飯前に約1時間、水に浸した。通常の白米モードで炊飯できるタイプの玄米で、説明にもそのように書いてあったため、タイガーは「白米」モード、象印は「白米・ふつう」モードで炊飯した。炊飯時間はタイガーが49分、象印が59分だった。
タイガーは白米以上にカニ穴がはっきり確認できた。しゃもじを入れるとパラパラッとほぐれ、食べてもかなりほろほろしている。口の中で粒がほどけていくような感覚だ。ただ、少し硬く、パサつきも感じた。象印は対照的にしっとりしており、白米に近い感覚で食べられた。柔らかすぎるわけではなく、噛み応えも適度にある。
玄米特有の硬さやパサつきが苦手な人なら、今回の条件では象印のほうが取り入れやすいと感じた。白米だけでなく玄米でも、それぞれの炊飯器の個性が表れた。
お手入れは内釜と内ぶたの2点だけ
炊飯器はほぼ毎日使うものだけに、炊き上がりだけでなく手入れのしやすさも重要だ。
以前の炊飯器では、内釜や内ぶたに加えて、蒸気口まわりの部品なども取り外して洗う必要がある製品があったが、今回の2機種は、日常的に洗う部品が内釜と内ぶたの2点で済む。これは、最上位モデルと同じで、5年以上前の炊飯器よりもお手入れはラクになっている。
そして、一連のテストを終えて改めて感じたのは、普及価格帯の炊飯器の底上げだ。筆者はこれまで仕事で数多くの炊飯器を試してきたが、数年前に試した同価格帯の製品と比べると、今回の2台は炊き上がりの完成度が上がっていると感じた。ツヤがあり、食感にも明確な特徴がある。しかも、炊き立てだけでなく、少し冷めた状態、保温後、冷凍・解凍後にも、それぞれの個性が残っている。モードも豊富だ。
「価格を抑えた炊飯器は、とりあえずご飯が炊ければいい」というイメージは、今回のテストでは当てはまらなかった。むしろ2万円台でも、「どんなご飯が好きなのか」で選べる。タイガーなら、粒立ちがあり、もちもちとした弾力と強い噛み応え。象印なら、柔らかくみずみずしく、なめらかな舌触り。基本スペックが近い2台でも、炊き上がりの方向性はこれだけ違っていた。


