タイガーは弾力、象印はみずみずしさ

そして、炊き上がってふたを開けると、まず目に入ったのがご飯のツヤだった。価格を抑えたモデルだからといって、どちらも見た目から物足りないという印象はない。

ただし、食べてみると2台の方向性はかなり違った。タイガーの炊き上がりは、表面にカニ穴も確認できる。しゃもじでほぐして食べてみると、米粒の輪郭がわかりやすい。もちもちしているが、弾力が強く、噛んだときに米粒の存在をしっかり感じる。

タイガーは想像以上にしっかりした噛み応え
筆者撮影
タイガーは想像以上にしっかりした噛み応え

一方、象印は柔らかい。炊き立て直後は少し水分が多いようにも感じたが、表面がツルンとしていて舌触りがいい。タイガーほど強いコシはないものの、みずみずしく、スルッと喉を通る。

象印は柔らかく、やさしい味
筆者撮影
象印は柔らかく、やさしい味

同じ2万円台、同じIH方式でも、食感にははっきりとした違いがあった。タイガーは「弾力と粒感」、象印は「柔らかさとなめらかさ」という方向性だ。

「食卓で食べる温度」で象印の印象が一変

炊飯器のレビューでは、炊き上がってすぐに試食することが多い。しかし家庭では、炊飯器から出したご飯をその場ですぐ口に入れるわけではない。お茶碗によそい、おかずを並べ、食べ始めるころには少し温度が下がっている。そこで、お茶碗によそって少し冷めた状態でも比較した。

タイガーは炊き立てより表面が少し硬く感じられるようになった。ただ、弾力はしっかり残っている。噛み応えのあるご飯を好む人にはわかりやすい特徴だ。

象印は逆に、このタイミングで印象が変わった。熱々の状態では「少し柔らかすぎるかもしれない」と感じたが、少し冷めると柔らかさがちょうどよくなる。みずみずしさも残り、表面のツルンとした感触もある。炊き立て直後より、食卓で実際に食べる温度になったときのほうがバランスよく感じられた。

左が象印、右がタイガー。見た目はほとんど変わらないが、食感は全く異なる
筆者撮影
左が象印、右がタイガー。見た目はほとんど変わらないが、食感は全く異なる

炊飯器は、炊き上がってすぐの状態だけでは判断できない。実際に口にする温度まで確認すると、違った特徴が見えてくる。食感の違いは、炊飯後の内釜にも表れていた。象印の内釜には、少し潰れた状態の米粒が内側に付着していた。

一方、タイガーは米粒がほとんど付着していない。象印を食べたときに感じた「柔らかく、米粒が潰れやすい」という特徴が、内釜の状態にも表れているように見えた。

象印は米粒が内側につきやすい。しゃもじでほぐしているときに、潰れてしまうことがあるからだ
筆者撮影
象印は米粒が内側につきやすい。しゃもじでほぐしているときに、潰れてしまうことがあるからだ
タイガーはキレイにすべてとれる
筆者撮影
タイガーはキレイにすべてとれる