58円のキャベツ苗を植えて終わりじゃない
先ずお野菜。「田舎はバーっと土地があって、ガーっと育てて、ダーっとトラクターで収穫すんだから、1個の値段なんてタダに等しいだろ」と、人の苦労も分からず暴論を思い描いてしまう輩がいるかも知れないが、先ず苗がタダじゃない。
種苗店で、キャベツの苗が1株58円だったとする。店頭で売られる完成品のキャベツが180円なら、約3分の1の値段だ。
それらを買って来て畑に植えて、毎日のように水をやり、たまに肥料をあげて、虫が寄らないようにネットをかけ、数十日経ってやっとキャベツが出来る。
しかしこの間に、ネットや雑草を生やさない為のマルチと呼ばれるビニールを買わねばならず、種苗店やホームセンターの行き帰りにもガソリン代はかかる。
山までの1往復でガソリン代1400円
次にキノコと山菜。これは圧倒的にガソリン代。軽トラはリッター15kmくらいが平均走行距離らしいが、山道では高低差が激しく寒さも厳しい為、燃費が悪くなる。そして、採りに行くだけではなく、探しに行くだけの日もある。
目星をつけておいたところが1日遅れで違う山人に採られ、違うポイントに向かうことも少なくない。
仮にレギュラーがリッター180円なら、山までの1往復で1400円くらいかかるのではないだろうか。そしてタラの芽やコシアブラは枝先に生える為、登って木から落ち、独り奥山でのた打ち回る可能性も考えられる。
鹿を獲る罠は自作で5000円、既製品で1万円
そして獣肉。「猟師になったら肉代タダ?」と、よく若人に聞かれるし、在りし日の東出青年も、そう思っていた。腹いっぱい肉食いたいし。
率直に申し上げれば、答えは「YES」だ。
鹿や猪を獲る猟法には2種類ある。罠猟と鉄砲猟。罠は最もポピュラーで安価な仕掛けが、自作をすれば1基5000円くらい。既製品で1万円くらい。
仕掛けだけなら高くない気もするが、大型獣は罠に掛かると1日で、下手すると数時間で死ぬ場合もある為、毎朝の見回りが必要になる。家の真裏に山があれば歩いて見回れるが、車で見回りをしないといけない場合はガソリン代がかかる。
動物が掛かったら掛かったで、壊れた罠の修繕も必要になる為、ちょっとずつお金がかかる。

