年齢を重ねても「身体を動かし続ける」

ちなみに、健康寿命には別の指標もあります。要介護度を基に算出する「平均自立期間」では、長野県が男性で4年連続、女性で9年連続の全国1位となっています。

長野県は、ウォーキング、健康診断、食生活の改善等を推進しているそうです。具体的な要因として「高齢者の高い就業率」「野菜摂取量」等が挙げられており、高齢になっても働きながら身体を動かすことが健康寿命によい影響を与えているのでしょう。

実際、男性の平均寿命と比べて、10年以上長生きしている私自身、運動習慣を維持しながら働き続けていることが、健康寿命の延伸に役立っていることを身をもって体感しています。

ここまでの話で「健康長寿のためには運動が欠かせない」ことをご理解いただけたかと思います。ただし、「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」という言葉があるように、何事もやり過ぎはよくありません。

運動は身体によいからといって、急に運動量を増やしたり、負荷の高い運動を過剰に行うと、筋肉を痛めたり、心臓に負担がかかったりと、かえって健康を害するリスクを高めることになるからです。

厚生労働省が策定した「健康日本21」では、20~64歳の1日の歩数目標は「8000歩」、65歳以上は「6000歩」となっている。
写真=iStock.com/Maksym Belchenko
厚生労働省が策定した「健康日本21」では、20~64歳の1日の歩数目標は「8000歩」、65歳以上は「6000歩」となっている。※写真はイメージです

運動しすぎは逆効果、65歳以上は6000歩で十分

運動をすると、ストレスや疲労、老化、免疫力の低下の原因となる「活性酸素」が発生します。ウォーキング程度であれば体内で分解できる範囲ですが、息が上がるような運動をし過ぎると、処理しきれないほど過剰に発生してしまいます。

よかれと思って取り入れた運動が、マイナスの効果を生むというのは、私のような高齢者にとってはなおのことです。たとえば、高齢者が急に激しい運動をすると、血管に負荷がかかることで心筋梗塞のリスクが上昇したり、突然死を招いてしまうこともあります。筋肉が弱っている人が無理な運動をすると転倒して骨を折ってしまうことだってあるでしょう。

私自身も無理な運動はしないようにしています。日常的に意識しているのは、「歩数制限」です。

さきほど、1日の歩数の目標値をご紹介しましたが、「7100歩」というのは年齢を考慮したものではありません。厚生労働省が策定した「健康日本21」(第三次)では年齢別の目標値も設定しており、20~64歳の1日の歩数目標は「8000歩」で、65歳以上は「6000歩」となっています。

そのため、私も1日の歩数が6000歩を超えないように努めています。具体的には、スマートフォンの歩数計をチェックしながら、歩き過ぎないようにしています。とはいえ、用事が多い日は1万歩以上歩くこともよくあります。そうしたときは、翌日歩く歩数を減らすなど、1週間程度のスパンで調整しています。