安く、近く、時短の婚活
その場合、たとえば「ゆるオタ君」狙いなら、いまは「オタ婚活」と呼ばれるような、オタク男女が集まる婚活がある。Facebookやmixiのコミュニティでも、“趣味”を軸に異性同士つながるチャンスは広がります。
そしてもう1つ。ブルーオーシャンの特徴が、「アクション・マトリクス」という考え方。
対象となる市場に合わせて、要らないものを取り除いたり、逆に必要とされるものを付け加えたり、と4つのアクションを起こし、自分の魅力を再構築して“新たな価値”を見出すこと。
これに当てはめると、「ゆるオタ君」や「オタ婚活」市場において、マナさんが打ち出すべき価値が、ぼんやり見えてくるはずです。
俯瞰すると、マナさんはいまのように、婚活に年30万円以上かけずに済むことが分かる。高価なワンピースやネイルなどに、むやみにお金をかけなくても良くなります。
同時に、「みんながいいって言うから」「なんとなく」、人気の高いレッドオーシャンな婚活にも行かなくていい。その分、新たな価値を武器に、自分と趣味趣向の合う男性を穏やかに探すことができるはずです。
ブルーオーシャンに学ぶ、婚活戦略。それはすなわち、無駄なお金と労力をかけず、自分に近い相手を、短時間で探し出す、「安・近・短 婚活」への近道でもあるのです。
1968年、東京都生まれ。大手出版社勤務ののち、フリーライターとして独立。 2001年、マーケティング会社インフィニティを設立。定量的なリサーチとインタビュー取材を徹底的に行い、数々の流行キーワードを世に広める。『アラフォー独女あるある!図鑑』(扶桑社)など著書を多数執筆する一方で、雑誌やテレビでも活躍。10月末『大人が知らない「さとり世代」の消費とホンネ』 (PHP研究所)が発売。12月5日『「バブル女」という日本の資産』(世界文化社)が発売に。財務省財政制度等審議会専門委員。