暮らしの「当たり前」も高くなる

出世や転職、副業などで収入が増えると、多くの人は意識しないうちに生活水準を少しずつ上げていく。

住居、食事、飲み物、移動手段、服や持ち物――。

暮らしのあらゆる場面で、選ぶもののランクが上がっていく。

これを「ライフスタイルインフレーション」という。

投資うさぎ『給料だけでは、お金持ちになれないから 32歳会社員が資産1億円にする、ほったらかし王道投資』(KADOKAWA)
投資うさぎ『給料だけでは、お金持ちになれないから 32歳会社員が資産1億円にする、ほったらかし王道投資』(KADOKAWA)

なぜ、収入が増えると支出まで増えてしまうのか。

たとえば出世して管理職になると、付き合う相手が変わる。

同じ職位の人たちとの付き合いが増え、取引先のお偉いさんとの面会も増えていく。

その集団の中にいると、以前と同じ服装や持ち物では少し見劣りするように感じる場面が出てくる。

自分だけ以前のままというわけにもいかない。

服も時計も鞄も、気づけば以前より高級なものを選ぶようになる。

しかも、そうした支出には決まって大義名分がついてくる。

「自己投資」
「ストレス発散」
「頑張った自分へのご褒美」
「昇進記念」

よくもまあ、ここまでいろいろな大義名分を思いつくものだ。

こうして、収入が増えるのと歩調を合わせるように支出も増えていく。

「ちょっと便利」「ちょっと上質」の積み重ね

ライフスタイルインフレーションは、高級スーツを一度買うことだけではない。

日常の何げない選択にも表れる。

一つひとつは、生活を少し快適にする選択に見える。

実際、どれも「悪い支出」とは言い切れない。だからこそ、気づきにくい。

収入が増えたから、少し広い部屋へ。

忙しくなったから、外食や宅配へ。

役職が上がったから、少し上質な服や鞄へ。

頑張っているから、自分へのご褒美を。

そうやって「少し」が積み重なり、収入と一緒に支出の基準まで上がっていく。

真中もまた、昇進をきっかけに、その流れの中へ入っていた。

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