生きていても死んでいても効果は同じ
そこを皮切りに、発酵業界のあちこちで「にごり酢開発チーム」がたちあがった。昨今、健康意識の高い人に人気のブランド「富士酢」のにごり酢も、コロナ禍に免疫強化を目的として誕生した商品だ。
ちなみに、にごり酢は製造工程で加熱殺菌処理がなされており、中にいる酢酸菌は死んでいる。それでも効果は変わらないそうだ。それは、ほかの発酵食品でも基本的には同じだという。
「菌が生きていても死んでいても、食べることで免疫反応が起きやすくなります。だからどっちだろうが続けること、一定の菌数以上の量を毎日摂ることが大切なんです」
ここで筆者の頭に「生きた乳酸菌が〜」という、あるドリンクのCMの謳い文句がよぎった。思い切って聞いてみると、藤本先生はにっこりと笑って言った。「あれはマーケティングですよ。踊らされてますね」。
そうだったのか……。また、注意したいのは、にごり酢がすべての花粉症の症状に効くわけではないということだという。
「目のかゆみは違うんですよ、目と鼻は神経が通る道が違うから。でも、鼻の症状だけでも緩和されればかなりQOLが上がるんじゃないかな」
藤本先生は少し残念そうに、でもすぐに切り替えるようにそう言った。確かに鼻さえ通れば、重度の花粉症で鼻水が止まらなくなる筆者も、だいぶQOLが上がりそうだ。
裏面の「ラベル」表示で見極める
にごり酢が花粉症にいいことは分かった。しかし「お酢を毎日飲む」と聞くと、ハードルが高く感じる人もいるだろう。選び方と飲み方、両方をここで解決してしまおう。
まずは選び方だ。にごり酢はメーカーによって、なかにいる菌の数が変わる。効果の高い商品をどう見分けたらいいのか。
尋ねると、
「身も蓋もないけれど、実験データなど、エビデンス(科学的根拠)を出しているメーカーのものを選ぶのが、結局一番確実なのよ」と藤本先生は苦笑い。
「発酵食品の世界には「体にいい」と謳う商品が溢れているけれど、お金をかけて実験しても、エビデンスが出てこないものは出てこないし、出ているものはそれだけ意味がある」ときっぱり言い切った。
エビデンスは、商品のホームページなどを見ればだいたい記載があるが、スーパーで簡単に見分ける方法もある。
「キユーピーのにごり酢にはラベル表示に『酢酸菌GK1』と書いてあります。他のメーカーでも、『酢酸菌入り』と書いてあるのが見極めポイントね。海外製品だったら『マザー入り』という意味の表記があります」


