インパクトファクターの点数が高い人
では、教授になるべき優秀な人材とはどういう人のことを言うのだろうか。読者のみなさんは白けるかもしれないが、それはインパクトファクターの点数が高い人である。
科学雑誌に付いている点数がインパクトファクター。その雑誌に掲載されている論文が、他の論文からどれだけ引用されたかでインパクトファクターの高さが決まる。科学論文を書くときには、先人の書いた論文を引用する。この論文を読んで発想を得たとか、実験手技はこの論文から学んだとか、考察をするのにあたったこの論文でも同じことを言っているとか。科学の世界において、自分の書いた論文が他人から引用されるというのは極めて価値が高い。
『Nature』とか『Science』には世紀の大発見が報告される。したがって、こういった雑誌の論文はよく引用される。だからインパクトファクターが高い。
たとえばある雑誌の2025年のインパクトファクターを割り出すためには、「2025年に引用された回数」を「2023年と2024年に公開(掲載)された論文数」で割ればいい。当然、インパクトファクターの数値は毎年変わる。
『Lancet』なら即教授レベル
狭い領域の雑誌はインパクトファクターが低く、科学全般とか生物学全般を扱う雑誌はインパクトファクターが高い。2024年のインパクトファクターは、たとえばこんな感じ。
『Journal of Pediatric Surgery』(=小児外科ジャーナル) インパクトファクターは2.5。小児外科医しか読まないから、当然低い。
『Cancer Science』(=日本癌学会の機関誌) インパクトファクターは4.3。これはなかなかの数字。5くらいあれば世界に名の知れたジャーナルということになる。
『Cancer Research』(=がん研究) インパクトファクターは16.6。10を超えれば世界的に見て一流である。ぼくが青春を捧げた『Cancer Research』はなかなかレベルが高い。ぼくはこれに2報。
『Clinical Cancer Research』(=臨床がん研究) インパクトファクターは10.2。ぼくが大学院を終えて臨床をやりながら夜な夜な実験をして載せた雑誌。けっこう高い。
では、上はどこまであるのか?
『Nature』 インパクトファクターは48.5。
『Science』 インパクトファクターは45.8。
『Cell』(山中伸弥先生のiPS細胞が掲載された) インパクトファクターは42.5。
これらの雑誌に論文を出せればそれだけで教授になれる。この3誌をサイエンス3大ジャーナルと呼ぶ。
前に述べたが、最近は臨床系のジャーナルのインパクトファクターが非常に高い。
『New England Journal of Medicine』 インパクトファクターは78.5。
『Lancet』 インパクトファクターは88.5。
即、教授である。
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