職業や家族のことを話すタイミング
僕の妻がヨガスタジオに通っていまして、そこで仲良くなった女性の友人がいるんです。その方と妻はしょっちゅうランチに行っているのですが、彼女のいいところは、「プライベートな件を質問してこない」ことなのだそうです。結婚しているかとか、子どもはいるのかとか、夫がどんな仕事をしているのかとか、一切聞いてこない。
でも妻が何かの話の流れで、「夫と渋谷でバーを経営しているんだけど」とか「娘がいるんだけど」などと話すと、その件については話す。そして同じように、自分の職業や家族のことを話してくれるのだそうです。
相手がどこまで仲良くなりたいのか、どこまでプライベートな話題を共有したいのかって、本当に難しいじゃないですか。あなたの近くにいる若い女性や職場の若い部下も、実は恋愛や仕事、これからの人生のことについてあなたと話したがっている可能性もありますよね。
だから、こちらからは決して「結婚はしてるの?」なんて聞いたりはしない。でも、若い人のほうからそうした話題が出てきたら、そこまでは話していいのかな、そうか実はそういう話をしたかったんだなと察知して、そこからは話すようにするというのが、おじさんがとるべきスタンスなのかもしれません。
1969年生まれ。徳島県出身。渋谷のワインバー「bar bossa(バールボッサ)」店主。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開設。選曲CDやCDライナーの執筆を手がけるほか、noteやメールマガジンでは飲食店経営や人生について綴ったエッセイが多くの読者の支持を集めている。2025年には本書にも所収したnote記事「日本で一番わかりやすくてためになる小さな飲食店の始め方 300万円でお店をやろう」が話題となり、note主催の創作大賞2025で入賞を果たした。著書に『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』、『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』(以上、幻冬舎)、『結局、人の悩みは人間関係』『大人の条件 さまよえるオトナたちへ』『マスター、お酒の飲み方教えてください』(以上、産業編集センター)、『バーのマスターはなぜネクタイをしているのか?』(DU BOOKS)等がある。