40代の管理職がやってしまった失敗

また、40代で管理職をしているお客様からこんな話も聞きました。

「林さん、こないだ新入社員と雑談していて、何気なく『どこに住んでるの?』って聞いてしまったんです。別に何の意図もなかったんですが、彼は『都内です』と言うんですよ。わかります? 僕とそういう個人情報を話したくないんです。たとえば『小田急線のほうです』なんて答えて、『じゃあ近くだな。今度飲みにいこうか』みたいな個人的な関係をつくりたくないんです。まあでも、今はこういうほうがみんな働きやすいんですよね」

僕も毎日バーで接客していて、そうした「聞いてはいけないこと」については気をつけています。特に女性のお客様に「どこに住んでるんですか?」とは聞かないようにしています。出身地や仕事の話題は問題なくても、今住んでいる場所を言いたくない女性は多いのです。

もちろん、結婚しているかとか、彼氏がいるかなんてことも聞きません。

バー店主の接客の悩みが晴れた瞬間

それでもバーという場所は、みなさん酔っているので、恋愛の話をしたいお客様もよくいらっしゃいます。「実は婚活中で、いい出会いがあればいいなあって思ってるんですよ」みたいな話をしてくる女性のお客様もたくさんいます。

林伸次『おじさんになっても』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
林伸次『おじさんになっても』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

実際、毎週のように通ってくださる20代後半の女性2人組がいて、ずっと婚活中だと聞いていたので、たまたま隣に座った身元のしっかりした既婚男性2人組に、「この女性たちに誰かいい相手はいないですか?」と話題を振ったところ、「後輩にいい男がいるんで、今度会ってみませんか?」という話になり結婚したということもありました。都会のバーならではのいい出会いを演出できたと、我ながら嬉しく思っています。

とはいえ、こちらからお客様に「結婚してるんですか?」「付き合っている方はいますか?」などと聞くのは、もちろん無作法です。どんなふうに話せばいいかずっと悩みだったんですが、あるときヒントが見つかりました。