「40年運転してきた」は安全を証明しない

このように、運転の仕方を少し工夫するだけでも、事故のリスクは下げることができます。

運転をやめるか続けるかの二択ではなく、「どのように運転するか」を見直すことが、運転期間を延ばすための大切なポイントになります。

高齢になっても安全に運転できる人は、自分の運転能力や認知機能を正しく把握したうえで、その能力に合わせて自主規制を行える人だといえます。さらにいえば、自分の運転能力を過信せず、リスクヘッジとして安全機能付きの車に乗り換えることも大切です。

堀川悦夫・楠田悦子『免許返納を10年延ばす70歳からの運転学』(プレジデント社)
堀川悦夫・楠田悦子『免許返納を10年延ばす70歳からの運転学』(プレジデント社)

逆に言えば、「私は何十年も無事故で運転してきた。だから今のままで安全運転ができるはず」と、自身の運転やその癖を省みることなく運転しつづけている人には、黄色信号が点滅しています。

同じ道でも、通い慣れた時間帯でも、交通状況は時々刻々と変化しています。毎日、交通に関する“応用問題”を解いているようなものともいえます。

できる限り長く運転を続けたいのならば、加齢に合わせて変わっていく柔軟性を持つことが大切ではないでしょうか。

少しでも運転期間を延ばすことができる人は、「運転が上手な人」ではありません。自分の変化を受け入れ、その変化に合わせて運転を変えられる人なのです。

そして、「運転期間の延伸は健康から!」を合言葉に、運転に関わる心身の機能低下が生じないように、いわゆる生活習慣病を防ぐための健康行動も続け、ライフワークを究めていきましょう。