「かかと・つま先・ひじ」の3点を意識して歩く

歩幅を広げることに加えて、次の3つを意識すると、いつもの散歩がさらに効果的な全身運動になります。

書影
安保雅博『歩幅を見れば、寿命がわかる 「死ぬまで歩ける体」のつくり方』(アスコム)

【①かかとから着地する】

年齢を重ねると、足裏全体で着地する「ペタペタ歩き」の人が増えます。これはラクな歩き方ですが、筋肉をあまり使わないため、足全体の筋力の低下につながります。少しキツくても歩幅をやや広めに取り、前に出した足を「かかとから着地する」ことを意識しましょう。

【②つま先でしっかり押し出す】

歩くときは、「着地した足のつま先で地面をつかみ、体を前に送り出す」動きが重要です。

この動作ができるようになると、お尻やふくらはぎなど下半身の筋力アップはもちろん、歩行の安定性やスピードアップにもつながります。

【③ひじを後ろに引く】

上半身で大事なのは、腕をしっかり振ることです。ひじを軽く曲げ、特に後ろへ引くことを意識しましょう。この時の「自然な体のひねり(体幹の回旋)」がポイントです。

年齢とともに肩の可動域は狭くなり、腕はあまり後ろへ振れなくなっていくのですが、こうして体幹を使うことで、歩行時の運動負荷が効率よく上がり、前への推進力もアップします。

いくつになっても元気で動ける体を維持するために必要なのは、特別な運動ではありません。いつもの散歩で、「歩幅を10cm広げる」「かかと・つま先・ひじの3点」を意識して歩く。たったそれだけでも、体への刺激は大きく変わり、毎日の歩きが老化に負けない体をつくる運動へと変わっていきます。

(参考文献)
・New England Journal of Medicine, 346: 793-801, 2002
・Paffenbarger RS Jr et al: Physical activity, all-cause mortality and longevity of college alumni. N Engl J Med 1986;314:605-613)

安保 雅博(あぼ・まさひろ)
リハビリテーション科医/博士(医学)

1990年東京慈恵会医科大学卒業。1998年~2000年までスウェーデンのカロリンスカ研究所に留学。2007年よりリハビリテーション医学講座主任教授。2016年、同病院副院長に就任。現在、東京慈恵会医科大学附属病院リハビリテーション科診療部長、リハビリテーション医学講座主任教授。延べ15万人以上の患者を診療してきたリハビリテーション治療のパイオニア。著書に中山恭秀氏との共著『何歳からでも 丸まった背中が2ヵ月で伸びる!』『家でも外でも転ばない体を2ヵ月でつくる!』『首・肩・背骨の「可動域」を5度広げるだけで体がラクに健康になる!』(すばる舎)など多数。