「外圧」がデフレ日本を変えた

1990年代のバブル崩壊以降、日本経済は長いデフレに苦しみ、「失われた30年」といわれた低成長・低金利の時代が続きました。

2012年に第2次安倍政権が成立すると、「強い日本を取り戻す」を掲げて大規模な金融緩和(リフレ政策)が始まり、黒田東彦日銀総裁は「2年で2%の物価上昇」をコミットメント(約束)し、市場に円を供給しようとしましたが、2020年まで物価が上昇する兆しはありませんでした。

ところがコロナ禍とロシアによるウクライナ侵攻という「外圧」によって資源価格が上昇すると、1ドル=150円を超える円安もあって、岩盤のようだった日本の物価が上がりはじめ、2022年からは年率2~3%のインフレが続いています。

給料は上がっているのに生活は苦しい

こうして日本経済はようやくデフレから「脱却」したのですが、「日本経済の大復活」というリフレ派の予測に反して、物価の上昇に賃上げが追いつかず、名目賃金(給料の額)から物価の影響を除いた実質賃金が4年連続でマイナスになっています。

これは「給料は上がっているのに生活が苦しくなる」という状態で、日本人はどんどん貧乏になっているのです。

デフレ時代があまりにも長かったため、30代以下の日本人は生まれてからいちども「金利のある世界」を知りません。その間、企業や個人はデフレに最適化した経営・ライフスタイルをつくり上げてきました。それがインフレに転換したことで、いまやすべての前提が崩壊しようとしています。

わたしたちは、この「プアジャパン」でどのように自分と家族の生活を守るのかを真剣に考えなくてはなりません。もはやこれまでの常識は通用しないのです。